多重債務で相談に来られた方へ~債務整理、破産、個人民事再生について~
多重債務状態になったのには、事情があると思いますが、安易に甘い誘惑に負けてしまったことを反省していただき、今後二度と借金をしたり保証人になったりしないようにしてください。そのことを前提にして、現在の多重債務の解決方法について、説明します。
1. 債務整理
弁護士が、あなたの代理人として債権者と今後の支払方法を交渉します。サラ金業者は法律で許された利率以上の利息を取っていますので、法律で許された利率で計算しなおせば、残金が減額される可能性があります(ただし、古くから借りていないと大幅な減額は期待できません)。計算し直した正しい残額を元に、分割払いなどの交渉をしますが、あくまでも交渉ですので最大で48回払いくらいが限界です。そのほか、弁護士費用がかかります。
2. 破産・免責手続き
破産・免責手続きは、どんなに努力しても返済しきれない債務について、返済不能 であることを裁判所に認めてもらい、最終的に支払い義務を免除してもらう手続き です。財産のある人は、財産分だけは返済する必要があります。 多重債務の解決方法の中では、一番負担の少ない手続きです。但し、手続きの途中 でも、債権者による訴訟・給与差押などを受ける可能性があります。また、保証人 のいる負債や住宅ローンだけを支払うなどの不平等な手続きはできません。そのほ か、弁護士費用がかかります。
3. 個人民事再生
一定期間(原則3年、最大5年)に一定額の返済をすれば、残金が免除される手続 きです。破産と違い住宅ローンだけは返済を続けられます。手続きが開始されると、 債権者からの給与差押えもできなくなります。毎月の支払い金額は、総債務額、資産 額、収入と家族構成などで決められますが、最低額は3万円です。そのほか、弁護士 費用がかかります。
多重債務の解決法のおもなものは以上のとおりですが、あなたの実情によってその他 の方法も考えられますので、実情を隠さず話してください。特に債務は一部でも隠され ると正しい解決ができませんので、全部お話し下さい。また、保証人の有無についても 必ずお話し下さい。
なお、弁護士に委任後は債権者からの連絡に対しては、「弁護士に委任している」と 言って、直接債権者との折衝はしないでください。